三次救急

三次救急研修の魅力

「先生、3階内科病棟ですが、内科入院中の患者さんが急に胸を苦しがっているんです!」

突然鳴った院内携帯の示す時刻は午前4時。「すぐ行きます!」当直室から病棟までは走って20秒ほど。さぁ急げ。でも落ち着いて。
医師3年目になり市中病院で当直するようになると、どの専門科に所属しているかにかかわらず、このような場面に出くわします。正直、怖い。なんで僕が当直の時に? そんな時、いつも私の背中を押してくれたのは、三次救急の初期研修で得た貴重な経験でした。

病棟での急変だけでなく、飛び込み受診される救急患者、あるいは院外でも目の前で誰かが急変する場面は起こり得ます。もちろん、BLSやACLSの講習などを通じて、急変時のシミュレーションを学ぶ機会は沢山あるでしょう。しかし、いざ実際に自分がその場に一人で立った時、冷静にしっかり向き合うためには、知識だけでなく度胸、さらに理想を言えば勝手に動いてくれる体が求められます。

みなさんは、救急医療に憧れたことはありませんか?
数多くのドラマや漫画で描かれてきたように、救急医療には間違いなく、そこだけにしかない本物のかっこよさがあります。専門として救急科の道を選ぶ先生には、尊敬の念を抱かざるを得ません。特に生死に直結する三次救急は、搬送される患者の重症度、医療設備、対応スピードなど様々な点で二次救急とは異なっています。しかし研修医から見ると最初は戦場のように感じたERも、経験するうちに基本的な流れや自分がすべき動きが身に付いてくるでしょう。

将来どの専門科を選ぶかにかかわらず、高度救命センターでの初期研修は三次救急の世界を内部からチームの一員として体験できる、医師として一生に一度のチャンスです。将来の救命できるかどうかの場面における「自分は、専門じゃ無いので…」を「とにかく、今できることを出来るだけやってみます!」に変えてみませんか?